倍数体

References

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多様性

倍数化は植物の種の多様性や種分化に大きな影響を与えていると考えられる。同質倍数化では、同種のゲノムのセット数が増えるため遺伝子重複をもたらす。重複した遺伝子の片方に致命的な変異が入ったとしても、もう片方で正常に代謝を行うことができるため、植物は生存し続けることができる。遺伝子重複により、遺伝子に変異が入りやすくなり、最終的には新規遺伝子の獲得につながるのではないかと考えられている。これに対して、異質倍数化は異なるゲノムを持つ近縁種のゲノムを同時に持つため、遺伝子重複のほかに、どちらかの親のみに由来する遺伝子をも持つようになる。そのため、異質倍数体は親種の中間的な形質を持つと考えられる。このことが、異質倍数体のストレス耐性やウィルス耐性の向上や開花時期のバリエーションなどをもたらし、異質倍数体の新しいニッチへの進出を可能にしていると考えられている。

倍数体に関するいくつかの課題

  • エコロジカルな課題
    • 異質倍数体は、2 倍体親種に比べて、より広いニッチに適応できるのか。
    • 異質倍数体は、2 倍体親種の形質を持つのか。
  • エピジェネティックな課題
    • 倍数体の DNA メチル化は、親種の DNA メチル化パターンと同じか。
    • 倍数体の DNA メチル化の制御は、種特異的なのか、それとも種間特異的なのか。
    • DNA メチル化は、集団の多様性に影響を与えるのか。
    • DNA メチル化は、subfunctionalization、neofunctionalization にとってどのぐらい重要か。