綿 Gossypium は異質倍数体で、5 系統確認されている。約 150 万年前に A ゲノムを持つ祖先種と D ゲノムを持つ祖先種が異質倍数化することによって誕生した異質倍数体が、さらに分岐を繰り返し、現在の 5 系統になったと考えられる(Adams et al., 2003)。
G. hirsutum を用いて、A ゲノムと D ゲノム上に存在する同一遺伝子(ホメオログ)の発現を調べた研究において、植物組織によって、いくつかのホメオログの発現比率が異なっていることが報告された(Adams et al., 2003)。例えば、adhA 遺伝子は葉において D:A = 63:35 の比率で発現しているのに対して、根では D:A = 35:65、花弁では D:A = 100:0 などの比率になっている。
References
- Genes duplicated by polyploidy show unequal contributions to the transcriptome and organ-specific reciprocal silencing. Proc Natl Acad Sci U S A. 2003, 100(8):4649-54. DOI: 10.1073/pnas.0630618100 PMID: 12665616