小麦 (Triticum aestivum) は、6 セットのゲノム計 42 本の染色体を持つ (2n = 6x = 42, AABBDD)。現在、栽培されている小麦は、数回の異種間交雑(異質倍数化)によって誕生したと考えられている。最初に、A ゲノムを持つ 2 倍体祖先種と B ゲノムを持つ 2 倍体祖先種の間で異質倍数化が起き、4 倍体の祖先種が誕生する。続いて、4 倍体の祖先種と D ゲノムを持つ 2 倍体祖先種の間で異質倍数化が起き、6 倍体の小麦が誕生したと考えられている。
小麦の遺伝子発現などに関する研究では、Chinese Spring と呼ばれている系統のパン小麦がよく利用される。Chinese Spring が持つ 3 種類のゲノム(A、B および D ゲノム)は、IWGSC により解読され、ゲノム配列とその遺伝子や ncRNA などのアノテーションデータは URGI-INRA のウェブサイトで公開されている。
References
- A Decimal Code for the Growth Stages of Cereals. Weed Research. 1974, 14415-21.
- Zadoks Growth Scale. PDF