方向性選択や頻度依存選択など
自然選択
個体には遺伝的な変異が存在し、いくつかの変異は何らかの点で有利であり、これらの変異はその保有者の生存と生殖の成功率を高める。その結果、この変異を持つ個体が群内で広がり、個体群全体として適切な方向に変化すること。
安定化選択:生物の形質は頻度分布で表現すると、通常正規分布に近い形をとる。安定選択は、標準個体(分布の中央付近の個体)の適応度が高いときに作用する。世帯を経ても表現方はあまり変化しなく、比較的に安定である。
方向性選択:気候や地勢などの物理的変化や捕食者、獲物、競争者などの生物的な環境が変化するときに、方向性選択が作用する。また、個体群が新しい環境やニッチに進出するときにも働く。(工業暗化、昆虫の DDT 耐性獲得など。)
分断性選択:ある個体が広がって異なる環境に進出するとき、個体群の中に遺伝的多型が生じる。このとき分断性選択が起こる。
頻度依存選択
遺伝子型の適応度が集団中でのその頻度の影響を受けるとき頻度依存選択である。対立遺伝子 A が優性で、各遺伝子型の適応度は対立遺伝子頻度によって変化するものとする。
遺伝子型 | AA | Aa | aa |
頻度 | p2 | 2pq | q2 |
AA と Aa 両方の頻度は 1-q2 と書けるから、AA と Aa の適応度は比例定数 k1 を用いて、1 + k1(1 - q2) とかける。同様に、aa の適応度は 1 + k2q2 とかける。