遺伝的浮動と突然変異が平衡状態に達すると、分離サイト数と塩基多様度の間に一定の関係が見られるようになる。その関係を説明するのが Tajima's D である。分離サイト数 s と塩基多様度 π は次のような関係があると期待される。
\[ \frac{s}{\sum_{i}^{n-1}\frac{1}{i}} = \pi \]Tajima's D test
塩基データに対して、上式が成り立つかどうかを検定する方法として Tajima's D test がある。Tajima's D test は \( d = \pi - s / \sum_{i=1}^{n-1}\frac{1}{i} \) が、d < 0、d = 0、d > 0 のいずれといえるのかを検定する。d = 0 のとき、常識があ成り立ち、中立定常状態であると期待される。d > 0 のとき、ヘテロ接合どの高いサイトの割合が高く、d < 0 のときヘテロ接合度の低いサイトの割合が高くなるといえる。
Tajima's D は d を d の標準偏差で割った値として計算される。
\[ Tajima's D = \frac{d}{\sqrt{\hat{Var}(d)}} \]