土壌中の二次鉱物(粘土鉱物)や腐植などは、コロイドとしての性質を持つ。土壌コロイドは、一般的に陰荷電であるが、特殊な状況においては陽荷電にもなる。。土壌コロイドの陰電荷は、永久陰電荷とpH 依存性陰電荷に分類できる。永久陰電荷は主に 2:1 型の二次鉱物に由来する。2:1 型鉱物の同型置換により、鉱物全体の電気的均衡が崩れ、陰電荷が生じる。これに対して、pH 依存性陰電荷は主に 1:1 型の二次鉱物(粘土鉱物)やアロフェン、腐植などに由来する。これらの二次鉱物や腐植の末端に生じるヒドロキシル基やカルボキシル基がプロトンを失うと、陰荷電するようになる。
土壌中の陰電荷量と陽電荷量が等しくなるときの pH を等電点という。アロフェンなどのように Al-OH や Fe-OH などを多く含むほど等電点は高くなる。これは Al-OH や Fe-OH が溶解すると OH- が生成され、この水酸化物イオンを中和するためにより多くのプロトンが必要されるからである。